プログラマーの兄にブログカスタマイズをお願いしたら断られた話とその理由。
私には1歳年上の兄がいます。その兄にブログカスタマイズをお願いした結果を、今回は記します。
ブログのカスタマイズを人に頼もうと思った理由
私は数字が苦手です。
高校生の時、真面目に試験勉強したにも関わらず、数学で0点を取ったことがあります。数字・記号に関連することが苦手で、全く頭に入ってきません。(文章を書いたり、暗記系は苦にならないのですが)
数字や記号が関わってくること全般、例えばエクセルなどから、家電、車など、PC・メカ系が幼いころからとにかく苦手です。
実は私は今の時点で、「後で見たい番組があるからビデオ録画して」と頼まれても出来ません。生まれて1度もビデオ録画をしたことが無いからです。
自分が困らなければ、人が標準的に持つであろうスキルをも習得しない、というのは私の悪癖の一つです。
「困らない=知らない」ので、当然Facebookやtwitter等もやったことがありません。ましてやブログをやるなんて考えたこともありませんでした。
そのような私が6月1日4:00に思い付きで始めたブログ。
意味が分からないどころか(意図的に避けてきた)生まれて初めて聞いた言葉HTML。今でも記号の羅列に見えます。1週間前くらいに、
「なるほど!<br>は改行の意味なのか!!」と悟ったところ。
はてなブログの存在を知り、独自ドメインの意味を理解しやっと取得し、テンプレートを選び、ようやく記事を書こうとしましたが、サイドバーは名前で分かるが、フッダーやヘッダーっていったい何なんだろう?そもそもCSSって何?モジュールって何や?
ひとつひとつ検索して、何となく理解し先に進もうとします。見出しって何?はてな編集って何だ???にほんブログ村のランキングバナーってどうやって張れば???
そうして数記事書いたときに気付きます。
なんか俺のブログ先輩方と比べてダサい・・せめてもう少しカッコよくしたい。
見出しに色を入れるには?サイドバーに色付けするには?また検索し「そのままコピペOK!」で試みるも、そもそもの基本を理解していないので全くうまく反映されず、5時間格闘し断念。こんなことを続けています。
実は今も、タイトルの映像を横に広げたい、とか記事の背景に色を付けたい、とかチャレンジしているのですが、時間をかけた上で断念しています。さっき数時間かけて、サイドバーの色と目次の色を統一できたところ。
このブログを初めて30日間で46記事書きました。46記事書く数倍の時間を費やし、やっとたどり着いたのが今の私のブログデザインです。
正直、自分の最も苦手分野であるデザインのカスタマイズに、これ以上時間を取られるのは辛いです。伸びしろも少ない。であるならば、お金を払ってでも、それを仕事としている人に作ってもらった方が良いと思いついたのでした。
そう、アウトソーシングや!!
兄に頼もうと思った理由
私の兄はプロでフリーのWEBデザイナーです。
20年ほどその世界で働いています。同じくプログラマーの奥さんと結婚してからは、法人化し2人でWEBデザイナーとして生計を立て、大金持ちというほどでは無いですが、少なくとも私よりはるかに収入を得ています。
時々専門学校で講師として生徒にプログラミングを教えたりしています。映画のエンドロールに製作者の一人としての名前を発見することもあれば、グーグルでフルネーム検索すると色々ヒットします。
まだ私がブログを始める前の5月に、久しぶりに私から兄に電話しましたが、その内容は「私の会社が製造販売した機械の、顧客が保存したデータが棄損され抜き出せない」という問題に対してです。営業の私は顧客対応しなければなりませんが、もう本当にどうすることも出来ないのかと助言を求めるためでした。その方面の分野においては時々頼って、企業秘密に触れない部分で、起きた事象のおおまかな概念を掴みたく、所見を求めたりしています。
超有名ということは無くても、堅実に働いている、実力あるプログラマーであることは間違いありません。私は思いました。
「兄さんに頼めば良いやん、何で今まで思いつかんかったんや。」
そして6月28日に2か月ぶりに電話したのでした。
そもそも兄はどんな人か
私は4人兄弟なのですが、兄と弟2人の天才に挟まれ、2人に対して常に強い劣等感を感じ育ってきました。
学校の勉強に意味は無いと中学卒業後社会に出て、今は1企業の社長である弟も強烈なのですが、今回は兄について。
「ありゃ~今回の子はだいぶ劣るわ~」私が生まれた時の祖父の第一声です。
1つ違いの兄は、幼い頃から私にとってほぼ完璧な存在でした。
まず、頭が良い。
兄が勉強をしている姿は1度も見たことが無いのですが、常に学年トップでした。勉強とは違う道に走り、学歴的には高卒なので「小学校の頃の神童あるある」なのですが、本当に地頭が良かったと思います。小学校の時には父に買ってもらったPC9801シリーズで、自分でプログラミングをし簡単なゲームを作っていたのを覚えています。
次に、センスが良い。
「ジョジョ描いて」と頼んだら何も見ずそのまま描けるセンスをもっています。総じてオシャレ。
さらに、美男子。
祖父の第一声も頷けます。私と全く違い、43歳になった今でも、バリバリ現役のイケメンです。1学年差なので良くわかるのですが、中学生の時必ず兄のファンクラブが結成されていました。
最後に、性格も良い。
小さいころから常に人気者で、いつも大勢の仲間に囲まれているイメージです。間違ったことは絶対にしません。また、我が家は父と母が亡くなっていますが、長兄として常に(いい歳こいた)2人の弟、妹を気にかけてくれます。
そんな兄も一度は墜ちた でも救ってもらえた
そんな兄ですが、完璧である反面、時々もろさを見せることもあります。
その最たるが17年前の私25歳、兄26歳の時。
ある日突然、社会人1年目の私のマンションに兄が訪ねてきました。
3年ぶりに会う兄。
「すまん、携帯の名義を貸してくれ。何回も止められて自分名義では借りれんのや」
「迷惑はかけんから」
私の知っている憧れの兄ではありません。痩せて、目を合わせようともしません。下を向いたまま絶対に吐きたく無かったであろうお願いを私にしてきます。
ザワザワと胸騒ぎがして兄をマックに連れて行きました。
兄はコーラしか飲みません。
「なんかな、あまり食べてないから、体がコーラしか受け付けんのや」
食べてないのに何も食べません。目を合わせません。ザワザワしました。
天才肌で、でもガラスのようなもろさを併せ持つ大好きな兄。書類を書いてあげて、兄が帰ったあと、もしかして兄と会うのもこれが最後になるかもと思いました。
その後私名義の携帯は1度も支払われることなく、私もブラックリストに載ったのでした・・。
それから1年後、兄から電話がありました。
「おう久しぶり。ちょっと出てこれるか。合わせたい人がおるんや」
この合わせたい人が、職場で知り合ったらしい今の兄の奥さんです。
この奥さんが、兄を救ってくれたのだと思っています。
立て直してくれたのだと。
とても良い人で、2人でプログラマーの仕事をし、現在は2人の子供と4人で幸せに暮らしています。
30歳の頃には、完璧な憧れの兄に戻りました。
兄の回答
前置きが長くなり過ぎ申訳ありません。兄の回答です。
自「おう、仕事中ごめん。相談があるんやけど。安心してくれ。お金貸してとかじゃないから。実はブログ始めたんだけどさあ、兄さん俺がそういうのメチャクチャ苦手なの良く知ってるでしょ。お金はちゃんと払うから、仕事として俺のブログをカスタマイズしてくれんかなあ。兄さんなら簡単にできるでしょ」
兄「そりゃ、会社としての企業HP作成の料金は最低6万円からやけど。お金はともかく、ブログだろ。簡単にできるけど・・・。でも、俺はやらんよ」
自「えっ?何で?やっぱり忙しい?」
兄「お前のためにならないからよ。お前がブログねえ。一番苦手分野よな。それを始めて1か月弱か。相当苦労してるから、電話してきたんよな」
自「おう。メチャクチャ苦手で、文章書くよりもカスタマイズに時間がかかって、でも全然ダメやわ。助けてくれ兄さん。」
兄「それが今のお前の実力だからよ。メチャクチャ時間がかかりながらここまで来て、でも思い付きで始めたころよりはずいぶん詳しくなったやろ。それもお前が得た経験による実力よ。分かった、お前の好きなドラクエで話をしてやるよ。俺から見れば、お前は今レベル3や。
まだアリアハンの中でスライム相手にしよるレベルや。でもレベル1だったのが、3にはなったわけや。そりゃ俺がカスタマイズしてあげれば、一気に見た目レベル20くらいには仕立ててあげれるよ。でもさ、レベル3の人間が見た目だけレベル20の見てくれになっても、中身がレベル3なんやから、何の意味も無いぞ。そりゃレベル10のやつら相手にちょっと気持ち良い勘違いできるかもしれんけど」
自「そ、そういうもんか」
兄「お前もさあ、何か目的あってブログ始めた訳やろ。そんで、中身レベル3ドーピングして見た目レベル20のお前が、本当のレベル20のやつらと張り合おうと思っても、話にならんどころか、たぶんレベル15のやつにも負けるよ。だって中身が4から19まで無いんやから。絶対に負ける。そうなったときにもう戻れんぞ。お前は効率を考える前の段階や。楽したくて間違った方向に注力して、遠回りになる典型や。」
自「そ、そうか」
兄「やったことないことをやって、レベルが低いのは当たり前や。今一番重要なのは、苦手分野にようやく着手して、レベル1が3になった訳やろ。それを地道に続けることや。時間がかかっても、自分でレベルを引き上げていくのが重要やで。少しずつ、自分の実力になっていくよ。・・・・そもそもなあ、今強制的に俺がお前をレベル20にしてやったとして、お前使いこなせれんよ。少なくともある一定の地点までお前がこないと。」
自「そうか。その一定の地点てのはどこや」
兄「そうやなあ、まあ3か月でレベル10てとこか。レベル10くらいまでお前がくれば、出来るアドバイスも変わるから、まあ今のまま3か月続けてみろよ。んで3か月後まだ続けてれば、相談して来いよ。てかブログ名教えろよ。見るだけ見てやるから」
自「それは断る」
兄「だよな。じゃあな頑張れよ」
まとめ
数日前に40代の中年男二人が交わした会話です。10代の会話の様で気持ち悪くてすみません。
ん~。社会で働いていると、成果を挙げるべく本業に集中するために、効率化のため枝葉の作業はアウトソーシングで整えることは基本です。
しかし営利がからまない兄の発言には説得力があります。まだ効率を考える段階ですら無いということ。
確かに、少しずつ、少しずつ、ブログのカスタマイズをはじめとした、周辺知識の習得が進んできています。四苦八苦しながら、歩みは遅いながらも、兄の言うレベル3までの知識は、実経験として蓄積できています。
唯一の趣味が読書だった私ですが、6月は1冊も読んでいません。
代わりにメルカリでブログ関係の勉強本を買いました。これも革命的なことなのかもしれません。これまでの人生で、全く関わらなかった(むしろ避けていた)世界が少しずつ広がっているということ。
もう少し、自分のペースで頑張ってみます。数か月後、私のブログデザインが劇的に変わっていれば「あ、こいつ兄貴に頼んだな」と思ってください!!