サラリーマン お小遣い稼ぎ実践

中年サラリーマンが世の中に氾濫するお小遣い稼ぎを実行し情報をご紹介するブログです。

深夜に突然自分の家に知らない女性が入ってきたら恐怖に打ち勝てるかどうか(後編)

2002年4月3日深夜。私のマンションに突然入ってきた人とのやりとり。この出来事は一体なんだったのかを推察する。

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25歳の時私に起きた、今でもあれはなんだったのかまったく理解できない出来事を記した後編です。この話は私自身が結論付けすることができず、今日まできています。

たぶんこういうことだったのだろうという推論を書き記します。

ここまでのあらすじ

大学時代後半を過ごしたラッキーハウス。

遊びにおいでよラッキーハウス

京都市伏見区

1976年築。木造2階建てアパート

総戸数7戸。全戸西向き

4.5畳。家賃2.5万円

風呂はない

トイレは和式便所が各戸にある

キッチンというか、「流し」が各戸にある

洗濯機は私が住んでいた時はボロい家庭用のが1個、1階に置いてあった

この記事を書くにあたりネットで専有面積を調べたら、12㎡と記載されていた

社会人になって住んだ〇〇ハイム中之島。

普通だよ〇〇ハイム中の島

大阪市北区西天満

1973年築。総戸数82個の投資用ワンルーム

都会らしくバルコニー前がマンションで日当たり無し

家賃4万円

ユニットバス付き‼

人生初のウオシュレット‼

キッチンというか「流し」が各戸にある

洗濯機は1Fにコインランドリー

鍵はシリンダーキーを2本渡された

この記事を書くにあたりネットで専有面積を調べたら、12.76㎡と記載されていた

一般的なワンルームマンションに引っ越して、迎えた新社会人生活。

2002年4月1日、入社式。

社会人生活3日目の2002年4月3日午前3時前。

暗闇の中、突然玄関のドアが開く音がした…。

布団から飛び起き、玄関を見る。

 

そこには異形のものが立っていた…。

ここまで書きました。

 

恐怖

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真っ暗闇の中、布団から飛び起きた私。

玄関の方向を見ると、開けられたドアからわずかに外の夜の光が差し込み、玄関内を照らす。

そこには…。

 

たたずむ人影がうっすらと照らし出されていた。

 

あれは、ひとだ。

ひとだということだけは分かる。

しかしなぜ、そこにひとがいる?

私の部屋の中に、しかも深夜に。

 

外界と私の生活圏を遮断するはずの玄関のドアは何者かによって開かれた。そして、私の部屋のなかに、その知らない何者かが、たたずんでいる。

 

2002年当時、スマホなんてものはない。PCは普及し増えてきてはいるものの、まだ得られる情報は限定的。

さらにそもそも私は、出自が漁村の田舎者である。

ここは大都会、大阪。梅田や淀屋橋まで自転車で10分の南森町。超都心。

 

泥棒?強盗?

 

不思議なもので、この時にこの人影が「幽霊」的なものとは全く思わなかった。

この時点で得られる情報は真っ暗闇にわずかに映し出される人影のみであり、それを「幽霊」的なものととらえてもおかしくはないのだけれども。

 

瞬間的にまず私は

「ああ、これが大都会大阪か。俺は犯罪に直面しているんだろうな」

と解釈した。

 

次に、恐怖が襲ってきた。身の危険を感じた。

 

侵入者が深夜、部屋に入ってきた。

恐ろしい。

怖い。怖い。怖い…。

 

最後に覚悟を固めた。

 

恐ろしいけれど。

自分を守らなければならない。

勇気を振り絞って、侵入者と戦わなければならない。

でなければ、こちらが無為にやられる。

 

私は布団のそばにあった、数日前の引っ越しの梱包開封時に使用したばかりのハサミを握りしめた。

 

咆哮

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まず、戦う姿勢を見せる必要がある。

私は咆哮した。

「うおおおぉおおおおぉ」

つぎに、恫喝した。

「なんじゃおどれ%$+#@:*%&$」

出せる最大の大声で咆哮し、恫喝した。

 

咆哮とは、けものが吠えることである。

ひとは滅多に咆哮しない。

弱い犬ほどよく吠える、というあまり良い意味でつかわれない比喩の通り、咆哮などはしないほうが良い。

弱い男であると自覚している私。

日常生活で吠えるとさらにカッコ悪いだけであり、極力キャンキャン言わないようにしている。

 

恫喝とは、嚇しておびえさせることである。

日常生活において、良識のある大人がすることではない。

会社員が部下にすればパワハラであるし、脅迫という犯罪行為にも発展する行為。

理由の十分でない恫喝は、自分の価値を下げるだけの恥ずかしい行為。

恫喝するのもされるのも、見るのも聞くのも不快である。

 

しかし…。

今回のケースでは、私は深夜自宅に何者かに不法侵入されている。

恐怖と命の危険を感じる中での、対抗手段としての咆哮と恫喝。

咆哮と恫喝の使用が許される、数少ないケースではないだろうか。

 

ともかく、安眠の中玄関のドアが開けられ、私が布団から飛び起き、暗闇の中玄関に人影を求め、ハサミを手に握りして、咆哮し、恫喝する。

ここまで時間にして10秒程度だったと思う。

 

そして私は壁にある照明のスイッチを付けた。

ここで初めて光に包まれるわがマンルームマンション。

 

侵入者と対峙した。

 

侵入者は…。

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女性だった。

 

明るめの茶髪。

年齢はたぶん、50歳くらい。

ピンクの厚手のコートを着ていた。

驚き、おびえたような表情を浮かべている。

派手な色のコートを身にまとっているのだけれども、発する雰囲気は決して派手ではない。驚いた表情からは、暗い印象を受けた。身にまとう衣服と、身から発するオーラのチグハグさが際立っていた。

 

「すいません…」

女性は消え入るような声で謝罪してくる。

 

1m程度の距離で対峙する。

25歳新入社員サラリーマンの私と、50歳くらいの女性。

 

女性の両手を素早く目でチェックした。

OK。とりあえず凶器みたいなモノは持っていない。

 

でも、「すいません」?

 

いやいや、あやまるくらいなら、なんで俺の部屋に入ってくるのさ…?

あなたは侵入者。俺は侵入された側。

 

女性は、カタカタと小さく震えている。

そして再度小さく「すいません…」

 

ファイナルファンタジーやドラゴンクエストで、恫喝して相手にショックを与え、相手の行動ターンを奪う技があるが、そんな感じでショックを受けているようにも見える。

 

いやいや…。

そんなアビリティー無いし、そもそもショック受けとるのはこっちやぞ…。

震えるべきはこちら。

 

時計を見るとこの時午前3時前。

「ちょっと外に出ましょう」

半開きになってあるドアから背を押すように女性を先に外に出し、私もジャージ姿のまま外に出た。

 

やりとり

相変わらず、女性はカタカタと小さく震えている。

この時点では私を包んでいた恐怖は消え、むしろ女性に対して申し訳ないような気持ちを覚えていた。

しかしいつ飛び掛かってこられても対応できるように、1mの距離は保ったまま、廊下で対峙する。

 

改めて、女性を観察する。

年齢は50歳くらい。

茶髪。

ピンクの派手な厚手のコートを着ている。

コートは足元まで隠れる長さのもので、4月にロングコートを身にまとっていることに対しては違和感を感じる。

 

「これは派遣型風俗業というものなのだろうか…?」

田舎者の私も、そういったサービスが存在するということは知っていた。年齢高めの派遣型風俗業に従事する女性が、部屋を間違えた、と考えることはできないだろうか?

 

しかし、それも違う気がする。

ピンクのコートが、薄汚れている。

茶髪の髪も、少し清潔感にかける感じ。

これではお仕事は難しいのではないか?

 

年齢は50歳くらい。

この時の私の母親と同じ程度の年齢の女性。

はるかに年上である。

 

私は、年長者に対して若輩者は礼を尽くすべきだと考えている。

もちろん、年齢が下の人間に対して礼を尽くさなくて良い、という考えは全くない。それどころか自分より若い人たちのほうが、自分世代よりも基本的に優秀であり、これからの社会に対して負うものも大きい、リスペクトすべき存在であると思っている。

が、一方で年長者は人生の荒波を乗り越えてきた先導者であり尊敬すべき対象で、年長者に対して若輩者はまず敬意を払うべきである、という考えも強く持つ。

この年長者である女性に対しても、できるだけ丁寧に語り掛けた。

 

「さっきは怒鳴ってすいませんでした。でもあなたも非常識ですよ」

「すいませんでした…」

 

「あなたの部屋がこのマンションにあり、入る部屋を間違えたのですか?」

「すいませんでした…」

 

「1件1件、あんな感じで勝手に他人の部屋に入って行っているのですか?」

「はい…」

 

「どうして私の家に入ってきたのですか?」

「すいません…」

 

女性は変わらず、カタカタと小さく震え続ける。

やっぱり派遣型風俗業に従事する女性が部屋を間違えた、というのも違う感じがする。もしそうだったら「ごめんなさい、部屋を間違えたの」で済む話だ。

そもそも、この震え続ける女性にその仕事は難しいようにも思えた。 

 

正常な判断ができない状態なのではないか?

すこし、病的なものを感じる。いや、気のせいだろうか。

だとすれば保護してあげるべき対象かもしれない。

でも、一見してケガなどはしてないように見える。顔にあざがあるとか、そういったことはない。ただ、表情が暗い。

 

「もしかして、このマンションのどこかの部屋から追い出されたのですか?」

「すいません…」

 

「震えていますが、大丈夫ですか?」

「すいません…」

 

女性はすいませんとしか語らない。

が、一生懸命に謝ってくる。

なんだか、さらに申し訳ない気持ちになるとともに、女性がかわいそうになった。

 

「何か僕にできることはありますか?」

「タクシーをひろってください」

 

タクシーをひろってあげた

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「え?タクシーですか?大丈夫なんですか?行く当てがあるんですね」

「はい…。」

「わかりました。大通りに出てひろってきます。ここにいてください」

「はい…」

 

部屋にカギをかけ、女性を部屋の前に残し、私は50mほど離れた深夜の国道1号線に出た。午前3時だったがさすがに国道1号線。タクシーはすぐにつかまった。

「僕じゃない人が乗るので、ちょっとここで待っていてください」

タクシーを止め、私は自分のマンションに戻りながら

 

(あ~そうか。そういうことか。帰ったらたぶんあの女の人、もういないだろうな)

 

と思った。

が、戻ると女性はちゃんと私の帰りを待っていた。

 

「タクシーつかまえましたんで、一緒に行きましょう。お金はあるんですか?」

「はい…」

 

そしてタクシーに女性を乗せた。

 

「じゃあ、なんていうか、まあ…。お元気で」

「はい…。すいませんでした。ありがとうございました」

 

こうして女性は去っていった。

 

2002年4月3日午前2:50~3:10くらい。

大阪市北区西天満3丁目で織りなされた、とある男女のストーリー。

 

思い起こす記憶を正確に書いたがゆえに、オチも何もない。

これが起きた出来事の全て。おしまい。

 

一体この出来事はなんだったのか

結局、この女性は何だったのか。

正確な答えは分からないが、「そういうことだったのかな」という推論はある。

 

前編、後編の中に、推論につながる情景も書いていた。

ここまで読んで頂いた読者様は、お分かりになっただろうか。

 

 

この日の午後、混乱したまま嫁様に電話して、一部始終を話した。

私のブログでたびたび登場する、現実的でキレッキレの嫁様である。

この時、私と同い年の嫁様も25歳。

広島でOLをしている。

話終わったとたん、私の話をじっと聞いていた嫁様が、私に指示を出した。

 

「すぐにカギをとりかえなさい」

「えっどういうこと?」

「寝ぼけながらもはっきりしている記憶として、ドアが開かれる前に、カシーンてカギを開ける音がしたんでしょう?たぶん、こういうことよ」

 

以下嫁様の推測である。

マンションの前居住者が解約し、ハウスクリーニングをかけたりなんやかんやで業者が出入りするとき、いちいちカギを管理する不動産業者に借りに行くことは手間なので、カギをメーターボックスにこっそり置いておくことはよくあることである(今は考えにくいが、18年前当時はありうる)。

この時私に貸与されたカギはシリンダーキーであり、複製は容易。

おそらくその女性はメーターボックス内にあったシリンダーキーを複製し、あなたの部屋に住んでいた(少なくとも寝床としていた)

女性は常にあなたの部屋に住んでいるわけではなく、この部屋は複数ある拠点のひとつであり、時々寝床としていた。

女性にはあなた個人に対しての悪意は全くない。関心もない。

女性はその日も誰もいるはずのない家に普通に帰宅?し、カギを開けて部屋に入ったところ、正式な入居者であるあなたと予期しないまま鉢合わせした。

数日前までは空き家だった、誰もいるはずのない部屋。

暗闇の中、そこに若い男がいる。

心構えもない中、鉢合わせした男が大声で咆哮、恫喝。

そして女性はパニックになった。

 

「なるほど…。でもだったらさあ、あの女のひと、逃げたくて仕方ないわけやろ。なんで俺がタクシー捕まえに行ったとき一人になったのに、逃げんかったんかな?」

「バカねえ…。その女のひとも、どうやってこの場を切り抜けたらいいか、頭をフル回転させたはずよ。

咆哮、恫喝してきた男に対してショックは受けたけれども、どうもその男はどんくさそうで、なんとかごまかしたい。

あなたが警察を呼ぶ、という判断をしたらおしまいでしょう。もし女性が逃げたら、さすがにあなたに警察を呼ばれる。だからその場から逃げずに踏みとどまった。

そしてあなたが用意したタクシーに乗ることにより、今回の件を問題化させずに切り抜けたのよ。一人になった時も逃げなかったのは、心理戦よ。

「そういうもんかねえ…。」

 

 

私は施錠して寝ていた、はずである。

私の耳が正常であれば、確かにドアが開く前に、カギが開けられる音がした。

シリンダーにカギを差し込む音もした、と思う。

この女性が私の部屋のカギを持っていた、というところまでが事実であれば、その先の嫁様の推論も「当たらずしも遠からず」なのではあるまいか。

 

「これが大都会、大阪か…。こえええぇ」

 

推論通りであればあの女性はもう私の部屋に来ないハズであり、カギ交換は不要なのであるが、おびえた私はその日のうちに部屋のカギをディンプルキーに交換した。

30,000円くらい自腹で負担して。

 

まとめ

今から18年前に私に起きた事象を、そのまま書き記しました。

この出来事は、長く空室だった部屋の合鍵をつくりそこを寝床としていた女性と、その部屋に引っ越してきた私との、深夜の鉢合わせ。

 

だったのでしょうか?

 

この時代は入居者が変わってもカギ交換をしないのが一般的だったのでしょう(グレードによると思いますが)。

昨今の防犯意識の高まりを受け、近年では入居者が変わる際、貸主がカギを交換して、新しい入居者を迎えるのが一般的になりつつあるようです。

もし皆様が所有するカギがシリンダーキーであれば、合鍵を作ることもピッキングも容易と言われています。より防犯性能の高いカギへの変更がよろしいかもしれません。

 

この記事のタイトルは「恐怖に打ち勝てるかどうか」です。

「何かあったら大声を出しなさい。」

子供がいらっしゃるご家庭は、お子様にこのように教えることもあるかと思います。

Googleで「防犯 大声」で検索すると、TOPに「大人も知っておこう。いざというときに大声を出すコツ」という記事が出てきます。

防犯上、大声を出すというのはとても有効とされています。

一方で、とっさに大声を出すのはとても難しいともされています。

有事の際に適切な行動がとれるように、皆様もイメージトレーニングをしてみてはいかがでしょうか。

 

そして。

嫁様の推測が正しいと仮定しても。

私はこの女性から、何のダメージも受けていません。

だのに暗闇で姿を認識できる前のことではあるとはいえ、年長者であり、かつ女性であるこのひとに対し、咆哮、恫喝してしまい、大変申し訳なかったと思います。

 

この出来事から18年が過ぎました。

この記事を書くにあたり、記憶を正確に書く必要があったため、嫁様とこの出来事を久しぶりに話をし、懐かしみました。

あの女性は悪人ではなかったように見えました。そして同時に決して裕福ではなかったようにも見えました。

このときの女性が、願わくば今日でも健康で、幸せな時間を過ごしていることを祈念し、記事を終えます。

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