サラリーマン お小遣い稼ぎ実践

中年サラリーマンが、世の中に氾濫するお小遣い稼ぎを実行し、それに関する情報をご紹介するブログです。

分譲マンション営業の実態 入社転職検討の方へ①

若手分譲マンションデベロッパー営業マンの業務を解説

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私は新卒として準大手分譲マンションデベロッパーに入社し、会社が倒産、精算されるまで分譲マンションの営業マンでした。これから社会に出る学生の方や、異業種からの転職を検討していらっしゃる方に向けて、10年前の現実(今も基本は変わらないと思う)ではありますが、私の実体験を記します(投資マンションデべは除く)。

志望動機

第1の理由が「1番早く内定をくれた企業だったから」です。

第2の理由が、ものすごいスピードで成長している会社だったから。

今考えると当時の自分の横っ面を貼り倒したくなるような稚拙な理由です。全国で50名程度新卒入社し、私は大阪支社勤務となりました。

会社の姿勢

社訓は「お客様のため~」から始まる、お客様のことを第一に考えた会社だったと今でも思います。

当たり前かもしれませんが、耐震偽装問題が発覚した際、創業からその時まで全国で発売したマンション全ての耐震性を自費で再検査しましたが、全て問題ありませんでした。

 

住宅はクレーム産業と言いますが、「お客様のためにならないと判断したなら売るな」を明確に社員下々まで浸透させている会社でしたので、細かいクレームは当然発生するものの、法律や信義則に反したりした上で発生する重大クレームは、(私個人としては)記憶にありません。

一方で利益をあげることを至上命題とした分譲マンションデべなので、今思うと下記のような営業手法は、ご迷惑をおかけした方も多かっただろうな~と申訳ない気持ちになります。

入社1年目~課長になるまでの業務

入社1年目のベースは電話営業・飛込み営業・チラシ配り(ポスティング)。それらの自分の営業活動により、モデルルームに来場した、もしくは連れてきたお客様を、先輩社員の横について接客のイロハを学びます。

 

2年目から先輩が付かずに、自分単独で接客をします。

3年目以降から泥臭い活動の比率は減っていきますが、基本は電話営業・飛込み営業・チラシ配り・接客、これは課長になるまで変わりません。

 

各物件モデルルームの責任者は課長(つまり、1つのモデルルームは4~5名の課単位で構成される)ですが、主任クラスになれば、課長不在時物件の責任者を務めるとともに、各会議や広告代理店との打ち合わせ等に同席したり、新しい接客ツールを作成したり、若干立ち位置が変わります。

 

私は4年目で主任となり6年目で退職するときは係長でした。

同期の出世頭は4年目で課長。20人入社して残った同期の中では私は中の上くらいの社内立ち位置でしたでしょうか。このくらいの出世スピード?の会社でした。

 

出勤~退社

朝の出勤は比較的遅く、9:30までに所属するモデルルームに到着すればOK。

10:00までモデルルームの掃除を行い、そこから各々が各々の営業活動を始めます。

規模が少し大きめ物件になれば、販売代理と呼ばれる下請けの販売専門会社の人たちとともに業務を行います(なのでA不動産マンションモデルルームの中に、A不動産+B販売会社C販売会社が共にA不動産マンションモデルルームの名刺を持って働きます)

退社は21:00まで電話営業を行いますので、23:00くらいが平均的でした。

電話営業の時間

基本業務です。

平日は18:00~21:00は必ず行います。土日は10:00~12:00と18:00~21:00まで行います。

法律的に何時から何時までOKという決まりはありませんので、今は問題になると思いますが、課長の勝手な決定で時々8:00スタートの時や、22:00終わりの時があります。

電話営業(電話帳「黒船」)

電話帳をエクセルでまとめなおしたもの。

名前の由来はわかりませんが、通称「黒船」と呼ばれていました。

当時は堂々と街で売られていましたが、今はわかりません。物件を中心とした半径5km程度にローラーで電話をかけていきます。一つのエリアが一巡したら、また留守宅にかけていき、それも2~3巡したら、次のエリアに移っていきます。

今は減っているので難しいと思いますが、2005年前後はまだ電話帳に登録する方が比較的いらっしゃいました。大体1日200~500件。

 

マンションが建つ周囲のご自宅に電話していきますので、先方もこちらをご存じです。

感覚的ですが、300件かければ1件は資料請求につながり(1/300)、それが5件で来場につながり(1/1500)、それが5件で購入につながる(1/7500)といった感じでしょうか。

物件の周囲に住む=その土地に住む理由がある=ニーズがあれば検討する、ということですので、泥臭いながらも数をこなせば成果につながる営業手法でした。

 

私はこの黒船による電話営業が大っ嫌いでいつも「現在使われておりません」にかけるか、ひどい時は「現在使われておりません」のアナウンスに対しエア電話営業(しゃべり続ける)をしていましたので、6年間で1件も成約に至りませんでしたが、中にはこれが得意でバンバン成約を決めている同僚もいました。

会社が倒産したとき「〇〇よ、俺は同じ業界でマンションを売るよ。俺は電話1本あれば売れるからな」と達観していたその同僚を今でも時々思い出します。

電話営業(電話帳に無い番号)

黒船を電話し尽すと、今度は逆黒船が始まります。

これが何かというと、電話帳に載っていない電話番号に電話していくことです。例えば黒船に010-1234-5677、010-1234-5679と記載があった場合、010-1234-5678に電話することです。同じ続きの空白番号であれば、大体同じエリアの電話帳に登録していないご自宅につながります。

 

「夜分に大変申し訳ありません。私●●マンションギャラリーの●●と申します。お近くの皆様に、1件1件お電話させて頂いております」

「ガチャ」

「夜分に大変申し訳ありません。私●●マンションギャラリーの●●と申します。お近くの皆様に、1件1件お電話させて頂いております」

「なんでうちの番号わかったの?」

「申訳ございません。近隣を順番にお電話させて頂いておりますので、どちらさまにお電話がつながっているか存じ上げないのですが、お近くでしょうか」

「ガチャ」

 

こんな感じです。今考えると正気の沙汰ではないのですが、この逆黒船まで行うマンションデべは稀ということもあり、電話帳に登録していない=他社も電話していない⇒潜在的なニーズがある、というお客様がいて、時々奇跡が起きます。

私はこの電話営業で、1件成約がありました。

電話営業(名簿屋から買った名簿)

時々課長が「いいか、これは〇〇マンションギャラリーの来場者名簿や。心して電話しろ」と新規名簿を配布し、電話営業が始まります。

普通に名簿屋さんから買っていたか、もしくは他のデベロッパーと名簿交換していたと思われます。しかし2005年に個人情報保護法が全面施行されて以来、他社物件の名簿への電話営業は無くなりました。

なお法律施行後、お客様から個人情報の消去を求められた際は、都度消去していました。

 

電話営業(数年前自社物件来場者・数年前当物件来場者)

1年目社員は回してもらえない、成約率の比較的高いとされている電話営業です。過去に自社物件、あるいは自社等物件の既来場者に向けて電話していきます。

一度はモデルルームに来場したことがある=少なくとも住宅について関心をもっているお客様に、かつ過去接客時の情報をもとに電話できます。

1度「購入しない」と結論が出ているお客様ですが、その結論を下した背景が変わっていることがあり、それなりに成約に結びつきうる電話営業ですので、機械的に電話する黒船等ではなく、こちらも事前に頭でやり取りをシュミレーションして電話します。

電話営業(資料請求者)

1年目社員は回してもらえない、成約率の最も高いとされている電話営業です。お客様の方から、そのマンションの情報を求めてきている状態です。

物件に資料請求フォーマットより資料請求があった際、年収・自己資金・予算・何年以内、等々事前情報を確認できた上で、かつ少なくとも当マンションに対して関心をもっているお客様に電話できます。基本的に2年目以上の営業マンに公平な順番で渡されていきます。

 

基本的には、電話したら迷惑そうにされることも多いです。ですが、「電話まってたんよ」「もう買うこと決めとるんよ。まだ空いとる?」はおろか「自分夫婦と子供夫婦2軒買いたいんよ」まであり得る、運の要素の強い激熱ツールです。事前に入念にやりとりをシュミレーションして電話します。

チラシ配り(ポスティング)

分譲マンションのチラシを各家庭のポストに投函していきます。

夏はとても良い汗をかきます。日中3~5時間、戸建て・マンションに限らずポスティングしていきます。1日大体2000~5000枚。過去に来場数の多いエリアに対しては、繰り返し投函します。

自分が投函したチラシを持ってモデルルームに来場してくれると、自分に接客の権利が生まれます。ですので自分が投函したチラシと識別できるように、「このチラシをご持参いただいた方にはQUOカード500円分プレゼント!」的なチラシにハンコを押すか、自分の名前の書いたタグをホッチキスで止めて、そのチラシを投函していきます。

 

1年目社員が成約をあげるため(それに至らないまでも接客に同席して経験を積む)には黒船、逆黒船よりも効果の高い、唯一無二の手段となります。まさに「足で稼ぐ」営業活動の一つで、投函した分だけ来場数に比例します。また、QUOカード等の特典付きとは言え、来場するお客様にはそれなりに潜在的なニーズがあるため、それなりの成約率のある営業手法です。

一方で3~5時間開放されるため、さぼる時間としても活用されます。あまりさぼり過ぎるとチラシが減らずにばれるため、私は何度か自宅に持ち帰って捨てたことがあります。

 

客引き

モデルルームではなく、マンションの建設予定地(建設後はマンションの前)に立ち、通る通行人に片っ端から声をかけていき、ご興味を持ったお客様を当日もしくは後日モデルルームに連れてくる営業手法です。

 

郊外型マンションの場合は控えめに建設予定地の前に立っている程度ですが、都心型マンションの場合はそれこそ客引きのごとく声をかけまくります。私はこの営業手法が恥ずかしく大っ嫌いだったので当番の時はいつもさぼっていましたが、レジェンドのような同僚がいました。

 

これまた正気の沙汰ではないと今では思うのですが、そのマンションの前を通る=その場所に何らかの地縁がある⇒住宅を購入する潜在的ニーズがあればお客様になり得る、という図式が成り立ちますので、モデルルームまで来場するお客様については、高い成約率だったと思います。

飛込み営業

住宅営業の基本です。1日100~200件程度、半径5kmの近隣を繰り返し訪問していきます。住宅地図を持ち、1件1件しらみつぶしにピンポンしていき、マンションの場合オートロックは当然のごとく住民と一緒に突破します。

 

大抵の方には迷惑になる行為で、当たり前ですが基本居留守か、冷たい対応をされます。一方で、時々「あ~いつか来るやろな~と待っとったんよ」的な奇跡が起きます。

時々、おじいちゃんおばあちゃんからお茶をもらえます。

また、「かわいそうに、話を聞いてやるかな」⇒「話を聞いていると、確かに真剣に検討してもいいかもしれない」ということも結構あり、後日モデルルームまでお越し頂くレベルのお客様は30%くらいの確率で成約に至ります。

 

心を削られながらも数をこなせば成果につながる可能性の高い、まさに「足で稼ぐ」営業活動です。また、会社の広告宣伝費を一切使わない営業手法ですので、これで成約を取ると、会社の評価が上がります。

 

私の時代でも女子社員は飛込み営業禁止でした。「私にも行かせてください!!」という猛烈女子社員もいましたが、男性の私でも少し危険を感じたこともある、今ではあまり行われなくなっているであろう営業手法です。

モデルルーム接客

接客の花形?です。

これまで述べた上記営業活動により発掘した自分のお客様は自分で(1年目は見学だが売り上げは1年目の社員にカウントされる)接客を行い、予約なしで来場したお客様は、2年目以上の営業マンに公平な順番で権利が発生します。

 

まさに当マンションになんらかの興味を持って来場されている、成約率の高いお客様です。

流れとしては、アンケートを取りながらお客様の背景、求めるものを把握⇒モデルルームを案内⇒お客様の求めに応じやりとりをする(質問に的確に答える、Bestを共に考える、資金の相談をする)⇒ここから先はケースバイケース、です。

 

ケースバイケースというのは、「購入することを最初から決めて、必要な情報は全て把握した上で、手続きのため来場している」お客様から「これから住宅を検討する」お客様まで、様々だからです。このケースバイケースの部分を次回記したいと思います。

 

接客する営業マンにとっては、来場するお客様の順番で対応するお客様が変わるため、運の要素も大きいです。

が長い目で見ると運の要素も、営業マンの接客スキルに応じて実力通りに収束します。歩留まり10%という言葉があって、10組新規お客様に対し、1件成約に結び付けれれば、そこそこ優秀な営業マンとされます(が、これは物件の持つ不動産力によって大きく左右されます)

 

ここまでのまとめ、次回は社風・年収・評価基準等を。

ここまで分譲マンションデベロッパーの課長職以下若手営業について書かせて頂きました。

11年前に会社が倒産し転職したため、私は現在を正確には分かりませんが、当時の同僚と連絡を取り合い聞く中で、程度や頻度の差異はあっても、共通する部分は多いだろう(特に大京系)と考えています。

 

扱う商品が「大金を払って向こう数十年生活をする」という、ひとが人生で支払う最も高額な商品である場合が多いため、お客様も真剣そのものです。

これほど赤の他人の人生に関わる仕事はあまり無いのでは、不動産業界で営業として成果を挙げれる方は、どの業界でも容易に成果をあげることが出来るのではと考えます。

感謝されることも非常に多く、上記営業活動に耐えられ、「足で稼ぐ」営業を実践できる方は、着実に成果を挙げれる業界だと思います。

 

一方で、程度の差はあれ「電話営業は無理無理!」という方には厳しい業界です。

不動産会社との面接の際、内定欲しさやかわいらしさアピールで「まずは足で稼ぐ営業マンになりたいです!!」では、本当に営業部に配属されてしまいます。

ミスマッチは企業にとっても社員にとっても不幸ですので、これから不動産業界に入社を検討していらっしゃる学生さんは「リノベーションビジネスがしたくて志望しました」と面接ではっきり言いましょう。転職を考えていらっしゃる方は、面接で上記営業の有無を聞いてみた上でのご判断をおすすめします。

 

6000字近くなってしまいましたので、社風や年収、個別エピソードについてはまた次回書き記しさせて頂ければと思います。

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